業務連絡

11月9日熱海町の清稜山倶楽部に於いて
生涯研修自由課程が開催されます。
講師は田村勝美先生
演題は「インプラント技工の基礎知識」です。

まだ参加可能ですので申し込みはお早めにどうぞ。  


親知らず

「親知らず」とは、「智歯」とも呼ばれますが、歯科学上は「下顎第三大臼歯」「上顎第三大臼歯」と呼ばれる歯の事です。
名前の由来は、生える時期が遅く、「この歯が生えた事には、親元を出ている」事が多いので、「親知らず」となりました。





さてこの歯。「抜かれる歯」として有名ですが、何故わざわざ抜く必要があるのでしょうか?
その理由は、人類の進化に由来します。

人類は、その昔「猿人」でした。猿人たちのアゴは現代人のそれより大きく、歯は全部で32本ありました。
現代人は、進化の過程で猿人たちよりアゴが小さくなってしまったのですが・・・歯の元となる歯胚の数は、減らなかったのです。
アゴが小さくなってしまったため、収容できる歯の本数は28本程度になってしまったのに対し、歯の数は32本…。
この余った4本が、俗に言う「親知らず」なのです。

親知らずは、最後に生えてくる歯。今まで28本キッチリ収まっていたところに、突然、一番奥に新たな歯が生えるのです。
すると当然、今まで生えていた28本の歯たちは、親知らずに押され、位置が動いてしまいます。
こうして、歯並びが悪くなる可能性があるのです。
中学・高校までは、歯並びが良かったのに、大人になって突然悪くなった方は、親知らずが生えた可能性があります。

逆に、28本の歯が場所を譲らなかった場合。
親知らずは横向きなど、変な方向に生えてしまい、歯茎や顎の骨にダメージを与える事があります。
すると、痛みを感じたり、炎症を起こしたりしてしまいます。








さらに、このように生えてしまうと、歯ブラシで磨く事が難しいため、虫歯になりやすくなってしまうのです。
「歯並び悪化」「炎症」「虫歯」などの危険性があるため、親知らずは抜いた方が良い…と、言われているのです。

ただ、親知らずは太く、丈夫な歯ですので、顎の大きさに余裕があってきちんと生えてきた場合、抜かない方が良いという判断をすることもできます。
いずれにしても抜歯はかなりの痛みを伴う処置ですので、抜くか抜かないかは、歯科医の先生と相談して決めてください。

また、たまに親知らずが生えない人がいますが、その理由は人類の進化の過程に於いて必要性が低くなっていったためとも言われています。正中(顔の中心)から左右に数えて2番めの歯(側切歯)も今後同じような運命をたどるのではないかと考えられています。

ちなみに、親知らずが萌出(ほうしゅつ/歯が生える事)するのは、早くて17歳ごろ、遅くて21歳ごろ。
この時期に、奥歯の異常な痛みや、歯茎の異臭・炎症、歯並び悪化などが起こったら、親知らずが生えた可能性があります。

早めに歯科を受診し、今度の対策を練ってくださいね(なお、この時期以降に、親知らずによる異常が起こる場合もあります)。  


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ergo
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郡山歯科技工士会に所属する黄昏の入れ歯師。。

週末になると繁華街を徘徊して異業種交流に努めている